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【プロ解説】中国団体旅行解禁7つの事実と仮説

2023年8月10日、中国人の日本への団体旅行が3年半ぶりに再開されるという各社報道がありました。中国団体旅行解禁の影響や、訪日観光客の現状について、統計データや最新の中国インバウンドマーケティング事情と併せて解説していきます。



2019年と比較して、どれくらい回復しているのか?
個人旅行が一般的なのに、団体旅行解禁はどんな影響があるのか?
秋の国慶節商戦インバウンド対策のご参考にご活用ください。


目次[非表示]

  1. 1.事実① 中国以外の国は93%回復済み
  2. 2.事実② 中国人団体旅行は27%の少数派
  3. 3.事実③ 中国人はすでに日本以外への団体旅行が可能
  4. 4.事実④ 中国人の買い物代>その他外国人全ての買い物代
  5. 5.事実⑤ コト消費よりモノ消費 買い物代比率は他国の2倍
  6. 6.仮説⑥ 2023年8~9月が中国インバウンド対策のピーク期に
  7. 7.仮説⑦ 【爆買いのメカニズム2023】インバウンドは越境ECの一部である

事実① 中国以外の国は93%回復済み

訪日客全体では72%の回復率ですが、まだ来れない中国人と、ほぼ回復している中国以外という分類が実態の把握がしやすいかと思います。

訪日客数国別回復率202306

国別訪日客数回復率202306

①人数多・回復 
②人数少・回復 米国・シンガポール・フィリピン・豪州
③人数少・未回復 香港・タイ・インドネシア
④人数多・未回復 韓国・台湾・中国
アメリカ・シンガポール・フィリピン・オーストラリアはコロナ前を超過。
韓国89%、台湾84%回復で、すでに回復基調。

事実② 中国人団体旅行は27%の少数派

地方都市からの初めての海外旅行型のような団体旅行パターンは少数派で、2015年からの海外旅行ブームによって、”自助游” つまり、”日本攻略”と呼ばれるSNS上の旅行ブログを中心にや様々情報ソースを参考に個人旅行を組み立てる行動様式が主流です。


観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、「団体ツアーに参加」の割合は27%であり、中国からの訪日客のほとんどは個人旅行となっています。

では、なぜ少数派の団体旅行の解禁が大きなニュースになるのか?

団体旅行解禁の影響は就航路線の復活と、需給バランス変化による航空券価格の下落。これにより、心理的・経済的に訪日のハードルが下がることがポイントです。



事実③ 中国人はすでに日本以外への団体旅行が可能

中国人の行先は日本だけではありません、中国政府2023年1月にタイ・シンガポール・モルディブを含む20か国、3月に40か国の計60か国を団体旅行許可先として「 出境団体旅行業務通知」を発表しており、これらの60か国の後を追う形での日本への団体旅行解禁となります。



事実④ 中国人の買い物代>その他外国人全ての買い物代


事実⑤ コト消費よりモノ消費 買い物代比率は他国の2倍


中国人消費202308


※買い物代比率:外国人旅行消費中の買い物代1.67兆円の内、0.94兆円52.9%、半分以上が中国人
※買い物代構成比:旅行消費に占める買い物消費の割合。旅行消費20万円の場合、中国人は106000円を買い物消費、中国人以外は48000円を買い物消費する。


結論:インバウンドのモノ消費はまだ始まっていない
中国人が来ていない中でのモノ消費は、全体の半分以下の議論でしかありません。消費中買い物代比率が他国の2倍以上あるというこの異常値はFindJapanが”ソーシャルバイヤー”と呼称している人々の行動がこの数値を押し上げています。このソーシャルバイヤーの動きは2015年からの爆買い初期に大きな役割を果たしましたが、2023年現在においては変化の兆候を察知しております。


中国人消費者買い物の様子


仮説⑥ 2023年8~9月が中国インバウンド対策のピーク期に

中国人の訪日には4つのピーク期があり、1~2月の旧正月、4の桜の季節、7~8月の夏休み、10月の国慶節(建国記念日大型連休)のタイミングが他の月より訪日客数が増加する傾向にあります。

ビザの取得には一般的に2週間~1か月程度を要するため、訪日客数上位の韓国、台湾
、香港といったビザフリー国と比較して、旅マエ段階での事前準備期間が長くなる傾向があります。

8/10のタイミングでの団体旅行解禁は、9/29の中国の国家祝日にあたる中秋節・10/1の国慶節連休の約2か月前であり、国慶節のインバウンド商戦が3年半にわたって停止していた中国人観光客獲得競争の一つ目のキーポイントとなることは間違いありません。

各社のインバウンド担当者が8/10(水)の午後に対策会議を開催し、遅くとも8月中には戦略・戦術を策定し、9月の一か月間での施策を実施したいと考える企業が続出することになるでしょう。

最新情報として、中国SNSのRED(小紅書)が旅行領域の強化を発表しており、プラットフォームとして日本旅行関連の情報のPVが伸びやすいような調整が行われるという追い風も発生しています。

この動きは2015年頃からの爆買い初期にも発生した動きで、当時はweibo微博を中心としたトレンド醸成施策が功を奏しFindJapanが「爆買いの仕掛け人」として成功事例を積み上げることとなりました。コロナ前とは状況が変わっておりますので3年分の情報のアップデートが必要となります。




仮説⑦ 【爆買いのメカニズム2023】インバウンドは越境ECの一部である


3年半のコロナ禍の研究開発を経て、新たな仮説を検証し続けた結果が【インバウンドは越境ECの一部である】という考え方です。


越境ECとインバウンドがどうつながっているのか?
キーワードは認知と配架です。


2023年6月の中国EC商戦では、中国マーケティングで先行する多くの日本企業が変化を目の当たりにし、越境EC領域での新たな対策を必要とし始めています。

FindJapanは2023年8月、ちょうど団体旅行解禁ニュースの直前にようやく自信を持ってご案内できるサービスを開発したところで、これから弊社の10年を超えるノウハウを公開・ご案内を開始していく次第です。FindJapan Beauty Oasis免税店



8/16(水)開催の中国インバウンド対策セミナー にて、今回の団体旅行解禁の影響や日本企業の動向について解説いたしました。


セミナーのアーカイブ動画をご希望の方、インバウンド対策ご相談ご希望の方は、お問い合わせページよりご連絡ください。


youtubeにて代表西山の< セミナー切り抜き動画シリーズ> 始めました



Find Japan 編集部
Find Japan 編集部
FindJapan内部で日々行われている中国マーケティングの活動を取材し発見した情報を皆様にお届けします。中国マーケティング初心者なのでなるべくわかりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
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